作:わたなべ しげお 絵:おおとも やすお
出版社:福音館書店
■優しい絵と言葉、洗練されたストーリー
「こんにちは」を覚えたばかりであろうクマの子どもが、お外で会うスズメさんやヤギさん、ウマさんや、おうちで会うママやパパに「こんにちは」とたくさん挨拶をするストーリーです。
見開きイチページに一人と出会います。
最後に出会ったパパが「やあ、こんにちは」と返事をしてくれて、高い高いをしてもらって、クマの子どもの満面の笑みで終わります。無駄のない洗練された内容に大事なことがギュッと詰まっています。
■コミュニケーションが取れる様になってきた頃に最適な絵本
1歳前後の言葉の理解が少しづつできて来た頃に最適です。
この絵本を通じて「こんにちは」が言える様になった子どもは何万人といるでしょう。
こんにちはを繰り返すクマの子どもの可愛らしさ、それに応えるパパとママを見て、読み手としても挨拶はしっかりしようという気持ちになります。
ぜひこの絵本と一緒にコミュニケーションの温かさを教えてあげましょう。
■育児効果
■コミュニケーション:コミュニケーション能力が育めるかどうか
■語彙力:豊かな言葉に触れ、語彙力が向上するかどうか
■教養:教養やマナーや倫理観を育めるかどうか
■論理的思考力:ものごとを順序立てて考えたり、伝えたりする力を育めるかどうか
■想像力:自らの外にある他人の感情や、未来の展開等を想像する力を育めるかどうか
■感受性:自らの内に生まれる嬉しい、楽しい、悲しい等の人間らしい感受性を育めるかどうか
この短い話の中に温かい気持ちになる内容がぎっしり詰まっています。
語彙力については出てくる言葉の数はとても少ないですが、この絵本以上に「こんにちは」の良さを認識させてくれる絵本は無いと思います。
物語の終盤のママとパパとの温かいやり取りは何度読んでも感動します。
大事な人たちとの関係を挨拶を通してしっかり育む、という教養の根本の様なものを教えてくれます。
作者のわたなべ しげおさんは1928年の戦前の生まれです。
慶應義塾大学を卒業した後、アメリカの大学院に進学し、ニューヨーク公共図書館児童部に勤務後、慶應義塾大学の図書館学科の教授を経てからこの作品を製作されたそうです。
あの有名な「エルマーの冒険」の訳者でもあります。
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